夢:オペラ「ボエーム」のこと

kinakinakina

2011年06月14日 20:53

[ ケンケン ] オペラ「ボエーム」は若い声楽家にとっては憧れのオペラです。
パリの学生街カルティエ・ラタンに集う四人の若き芸術家たちと、美しい二人の娘たちが織りなす恋と友情のオペラ。

私も若い頃はこのオペラを歌えるようになるのが夢で、パヴァロッティが歌うロドルフォを何度も繰り返しテープが擦り切れるまで聞いていました。



いつかはロドルフォを歌いたい・・・・そう思って練習するものの、私にはこのオペラは絶対に歌えないという大きな壁がありました。

かの有名なアリア「冷たき手を」にでてくるハイC(超高音)がどうやっても出ないのでした。

20代の頃は本当によく練習しました(今も練習しますが・・・)が、逆立ちしても、ひっくり返っても、首を絞めてもハイCを出すことができず、「このアリアがなければ自分はロドルフォをうたえるのに」と恨んだりも・・・・。



それから20年後、ルーマニア国立ヤシ歌劇場の指揮者を招聘して「ボエーム」の講習会を開催しました。

講習会を受講する前は「冷たき手を」を歌うことができませんでしたが、
全曲を歌うようになって喉が慣れたのか、ペース配分ができるようになったのか、あの世からプッチーニ先生が助けてくれたのか、理由はいまだに分かりませんが、ハイCがでるようになっていたのです。

自分にとっては奇跡が起こったようでした。20年間練習しても出なかったハイCが全曲歌っただけで出るようになったのですから・・・

それから次々と奇跡的なことが・・・・・・
半年後に本番の話が舞い込んできたのです。
悩んだ・悩んだ・・・・・出るべきか、断るべきか??????超メジャーなオペラを自分が歌っていいものか。
恐れ多い気持ちと・・・・夢を実現させたい気持ちで揺れ動いていましたが・・・・・

こういうところでは三男ボーチラーな性格が前に出てしまうケンケン。
「飛び込んでしまえばナントカなる」という信念で(今までもそうだったし・・・)、出演することになったのでした。


     写真は2001年3月31日 グルッポムジチーニ主催 沖縄市民会館での「ボエーム」ロドルフォを歌う
     ケンケンでした。


つづく・・・


関連記事